リベラルアーツとは何か?

古代ギリシャに源流を持つ「リベラルアーツ」は、大学教育の原点であり、人間を真の意味で自由にするための基礎教養といった意味があります。

形而上学を筆頭の第一哲学とし、言語学(修辞学・論理学・文法)、数論・幾何学・天文・音楽の7科目を「自由7科」と呼び、豊かな人間性を育て、固定概念から解放し、森羅万象と調和した人生と世界を創造するための最も根源的な学びとされていました。


※形而上学(けいじじょうがく)……物理的世界の上位構造としての、意識・精神・認知の構造、または神といった物理を超越した存在について考察する学問。


古代ギリシャで花開いた学問の基礎リベラルアーツは、12世紀ごろ、ルネサンス黎明期のヨーロッパで復興され、高等教育を受けるすべての知識人にとって重要な「アカデミックな共通認識」を作り出しました。


古代ギリシャ、ルネサンス期のヨーロッパ、そして現代に共通するのは、高等教育というものが文化や言語、人種の壁を超えたところで行われるということです。

(もちろん時代背景やキリスト教との強い結びつきなどの影響で、完璧な平等が実現されていたわけではありませんが、少なくとも理念上は、「学問の前に人々は平等」でした)


リベラルアーツの理念にとって「学究」とは、根源へ向かう旅です。

見かけ上の違い、文化的な差に左右されるもの、時代と共に移り変わるものではなく、世界の成り立ちの根源・人間存在の黎明を解き明かすこと。

多種多様な価値観や文化の前提となる「人類共通の原理原則」「森羅万象に通じる純粋な法則」を発見し、学ぶことこそ、あらゆる学問に先立って重要なこと。

そしてこの理念は、多様化の極まる現代においても、重要視されるものです。現にビジネスの世界などではすでに数年前から「教養」「リベラルアーツ」を身に付けることが、個々のビジネステクニックを身につける以上に重要視され始めています。


去年通用したビジネスの常識が、今年にはもう古くなっているような、変化のスピードが異常加速している現代、マニュアルを暗記するような学び方では到底対応できません。

変化が速く、価値観の多様化が進む時代だからこそ、自分の思考のブレない基盤を育てておくことが重要だと考えられています。


※流行りのビジネス書などでは「リベラルアーツ」を広い意味での「現代の教養」といった意味で使い、哲学や文学、歴史等を学ぶ重要性を指す場合も多いようです。


人間の意識を構成する「言語」について学ぶこと。

森羅万象の基本構成要素である「数論(数)」「幾何学(形)」「天文学(円運動)」「音楽(調和)」について学ぶこと。

そしてそれらすべての大前提としての「形而上学」を学ぶこと。


個々の興味や専門に合わせたテクニックや知識、スキルを学ぶ前提として、こうした森羅万象に通じる教養を身につけることは、時代の状況や変化に受動的に振り回されるのではなく、適切かつおおらかに、創造性を持って能動的に状況を変革していく力を持つこととイコールです。

それは、植物を育む前提として土壌を豊かにすることと似ています。

栄養たっぷりの活性化した土壌があれば、そこに植える種が何であれ、強く健康的で、ちょっとやそっとの雨風には負けない立派な作物が実ります。


リベラルアーツを学ぶことは、人間を真に自由にすること。

それは、豊かな精神の土壌を持つことにより、その後の人生の選択や社会貢献の幅が飛躍的に広がることを意味しています。








Crossing

古代ギリシャに源流を持つ、大学教育の原型「リベラルアーツ」は、人間を真に自由にするための教養教育。リベラルアーツラーニングサロン【Crossing】では、価値観が多様化する現代を生きる大人のため、「知性という名の自由」を育む各種クラス、情報発信をお届けします。

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